UchUchU
Space Media #月

Orbitorus、ルクセンブルクのMission SpaceとMOU締結 軌道リスクと宇宙天気の情報統合へ

イメージ

衛星軌道の衝突予測技術を開発するOrbitorus(東京都中央区)がルクセンブルクのMission Space S.A.と基本合意書(MOU)を締結し、衛星運用者向けのリスクインテリジェンス統合に向けた協業を開始する。軌道環境と宇宙環境の双方のリスク情報を一つのプラットフォームで統合し、衛星の安全で効率的な運用を支援するという試みで、従来は分散していた情報管理の統一化を実現する動きとなる。

衛星運用環境の複雑化が進んでいる背景がある。従来、衛星軌道の設計段階では、人工衛星同士やスペースデブリとの衝突リスクが主要な検討対象だった。しかし軌道上での実運用では、宇宙天気の変動が衛星運用に影響を与え、また宇宙の放射線環境が搭載機器に影響を与えるなど、軌道リスク以外にも対応すべきリスクが複数存在する。衛星の安全性と寿命を守るためには、軌道環境(衛星同士やデブリとの衝突リスク)と宇宙環境(宇宙天気や放射線による影響)の両方に対応する必要があるのだ。これまで、これら二つのリスク領域は異なる企業や部門によって管理されることが一般的であり、衛星運用者は複数の情報源を並行して監視しながら意思決定を行うという課題を抱えていた。

今回のMOUは、この管理の分散という課題に対する解決案である。Orbitorusが有する軌道インテリジェンス技術(衛星同士の衝突リスク予測や軌道変化の予測)と、Mission Spaceが専門とする宇宙環境モニタリング(放射線環境や宇宙天気の運用への影響分析)を組み合わせることで、衛星運用者が軌道と環境の双方のリスクを統合されたプラットフォームで把握できる環境を実現しようとしている。協業の具体的な内容としては、共同での技術実証や概念実証(PoC)、軌道上への新たなセンシング機能の搭載検討、さらにはモニタリングデータを活用した商用サービスの開発が視野に入っている。こうした動きは、衛星ネットワークの急速な拡大に伴い、衛星運用の安全性と効率性の両立が極めて重要な課題になりつつあることを示しているといえるだろう。

日本の部品・装置・素材サプライヤーにとって、この協業の深化は複数の機会をもたらす可能性がある。統合型インテリジェンスの構築には、膨大なデータを処理し可視化するための計算機や通信機器、高精度のセンサやモニタリング機器など、各種電子部品や装置の需要が生じると考えられる。またOrbitorus自体が日本企業という点も重要である。同社が国際市場での事業機会を創出する中で、日本国内でのパートナー企業募集やサプライチェーン整備の動きが加速する可能性が高い。ルクセンブルクをはじめとする欧州への事業展開も計画されている点から、欧州市場への部品供給拡大の道も広がるだろう。衛星の安全で効率的な運用という社会的ニーズが、日本の製造業にとって新たなビジネス機会を創出しつつある状況が見えてくる。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:Space Media

この分野の企業を探していますか?

UchUchUは宇宙産業に関わる日本企業をデータベース化しています。参入検討・取引先探索にお使いください。