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FAST finds two mysterious hydrogen clouds with no visible stars

中国のFAST電波望遠鏡が、渦巻銀河M51の近くで2つの奇妙な水素ガス雲を発見した。これらの雲は恒星をほぼ含まず、それぞれが太陽の300万倍の水素質量を保有しながら、光学的には全く検出不可能な暗い状態にある。理論上は予想されていたが、実例が極めて少なく、謎めいた天体として天文学の関心を集めている。この成果は8月に国際学術誌に論文公開された。

宇宙論の標準モデル(ラムダ冷たい暗黒物質モデル)では、暗黒物質の小さなハローが最初に形成され、段階的に合体して大きなハローと銀河を構築する階層的構造形成が予想されている。しかし、形成されたハローのすべてが銀河へと発展するわけではない。重力ポテンシャルが弱い場合や、ガスが十分に冷たく密でない場合、あるいは宇宙背景の紫外線によってガスが加熱されている場合、恒星形成は抑制される。こうした複合的な条件下では、恒星を持たない中性水素ガスのみを含むハローが存在する可能性が理論的に予想されている。今回の研究は、「再電離制限水素雲(RELHIC)」と呼ばれるこの理論的予想を、実観測によって検証しようとする試みだった。

研究チームは中国のFASTが実施した21cm電波観測プロジェクト(FEASTS調査)のデータを用いて、55個の銀河を詳細に分析し、理論的条件を満たす候補を体系的に探索した。その結果、Cloud NとCloud Sという2つのオブジェクトだけが厳格な基準を満たした。両者の水素質量は太陽の約300万倍で、ハロー全体の質量は太陽の37億倍に及ぶ。ガス質量と全ハロー質量の比率は、理論的予想と高い一致度を示していることから、RELHIC仮説との適合性が高いと考えられている。ただし、M51は複数銀河の相互作用系として天文学で広く知られているため、これらの雲が過去の銀河衝突による潮汐残骸である可能性も完全には否定できない。

理論と観測の最終的な区別をつけるには、より高い解像度での電波観測によるさらなるデータが必要とされている。今回の発見が示すのは、精密な電波観測技術と高度なデータ解析能力の重要性だ。基礎科学の推進を支える精密機器・高精度部品産業の役割は、今後さらに増していくと考えられる。特に電波観測技術や計測精度の向上は、宇宙科学の観測基盤を構成する重要な要素である。今後、解像度をさらに向上させた観測装置の開発が進むなかで、日本の部品・装置メーカーがこうした国際的な科学プロジェクトに技術を提供し参画する機会も広がっていくと考えられる。

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Source:Phys.org

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