A mineral from the inside of planets reveals a surprising lesson: How you push matters
大学と国立研究所の共同研究チームが、酸化マグネシウムの高圧下での挙動について長年続いていた実験と理論のずれを解消したと発表した。決め手は、衝撃を加える結晶の向きという、従来は重要視されていなかった条件である。研究はローレンス・リバモア国立研究所とジョンズ・ホプキンス大学によるもので、*Physical Review X*に掲載された三部作の第3報にあたる。
酸化マグネシウムは、地球のマントル最深部や、スーパーアースと呼ばれる大型の岩石惑星の下部マントル、巨大ガス惑星の核にも存在すると考えられており、惑星内部の構造を理解するうえで欠かせない物質である。しかし高温高圧下での実験結果は、理論の予測と合わない状態が続いていた。研究チームはレーザーで衝撃波を生じさせ、ロチェスター大学のOmega EP施設を用いて、立方体の面に垂直な方向、面の対角線方向、立方体の対角線方向の三方向から圧縮をかけた。衝撃の速度と温度を光学的に計測し、原子の配列を示すX線回折と組み合わせることで、12年近くをかけて結論を導いたとされる。
その結果、圧縮の向きによって、酸化マグネシウムが高密度の結晶構造へ移る経路が大きく異なることが分かった。立方体の対角線方向では予想どおりに構造が変化して融解するが、その他の方向では衝撃波の先端に極めて薄い無秩序または液体の領域が生じ、その後ろに不規則な結晶成長が続く。この違いが、従来の実験結果と理論の食い違いを説明すると考えられる。一方、どの経路でも約572ギガパスカル、13,200ケルビンで融解しており、これは既知の物質で実験的に記録された最高の融解温度である。この値は、初期地球のマグマオーシャンからの結晶化の順序や、巨大衝突で蒸発する物質量の見積もりに影響する可能性があり、木星や土星の核の状態を推定する基準にもなる。
記事は製造業や部品の用途には直接触れていない。以下は推測にとどまる。材料の結晶方位によって高圧下の振る舞いが変わるという知見は、単結晶材料の加工や衝撃を伴う接合・成形の条件を設計する際に、方向依存性を織り込む必要があることを示している可能性がある。また、極限環境で使われる材料の評価において、高温高圧下の物性データが参照される場面も考えられる。宇宙向けの部材を手がける日本の素材・装置メーカーにとっては、直接の受注につながる話ではないが、材料の向きや負荷の方向を設計条件に含めて考える視点として参考になるだろう。
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Source:Phys.org
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