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Stratospheric observatory Sunrise-III reveals intricate solar magnetic structures

日本の国立天文台が主導する研究チームが、成層圏に浮かぶ気球搭載型太陽観測装置「Sunrise-III」を使い、太陽の静穏域(活動がない領域)上に予想外に複雑な磁場構造を発見した。従来は単純な構造だと考えられていた太陽大気の磁場に、細い糸状の構造が無数に存在することが明らかになり、太陽のエネルギーがいかに輸送・放出されるかの理解を深める手がかりが得られたのである。

太陽の表面には磁力線が集中した領域があり、そこから上空の太陽大気(色球)へとアーチ状に広がる「磁気キャノピー」という構造が形成される。従来の観測では、この磁気キャノピーは高度が上がるにつれて均等に拡がる単純な構造と見なされていた。しかし今回のSunrise-III観測により、その内部には無数の細長い磁場小構造が組み込まれていることが判明した。研究チームが実施した数値シミュレーションにより、これらの糸状構造は太陽表面の運動によってねじれた磁力線に関連していることが示された。加えて別の観測では、太陽の縁付近の静穏域上に存在する「スピキュール」と呼ばれるジェット状の構造について、その磁場分布が高度によってどう変わるかが詳細に捉えられた。

Sunrise-IIIが成功した理由は、高度35キロメートルの成層圏という特殊な観測位置にある。地上から観測する場合、大気の揺らぎ(シーイング)は観測精度を大きく損なう。静穏域の磁場は活動領域に比べて弱く、地上の大気の影響を受けやすいため、従来は詳細な測定が困難だった。成層圏のこの高度では太陽観測時に大気による歪みがほぼ消失するため、弱い磁場領域の詳細な測定が初めて実現した。Sunrise-IIIは国際協力プロジェクトであり、1メートルの望遠鏡と複数国で開発された三つの計測機器が気球に搭載されている。その中で国立天文台が主導開発した「SCIP」(赤外分光偏光計)は、太陽表面(光球)から色球まで連続的に磁場を観測できる。この高精度観測により、静穏域上の色球磁場構造が前例のない細部まで描き出されたのだ。

太陽表面から上層大気へのエネルギー輸送と太陽大気の加熱メカニズムは、太陽物理学の根本的な未解決問題である。従来の観測では見えなかった複雑な磁場構造が、その謎を解く鍵になると考えられる。細い磁気糸状体がスピキュールなどの活発な現象とどのように関連するのかが明らかになれば、太陽大気全体の加熱・冷却プロセスの理解が大きく進む可能性がある。

日本の製造業にとって、このような高度な宇宙観測機器の開発と運用は、成層圏用の耐性材料、精密光学部品、高精度な電子計測装置など、多くの部品・素材を必要とする。Sunrise-IIIで用いられた日本製の観測機器が国際的に認められたことは、こうした領域での日本の技術基盤の強さを示すものである。今後も宇宙科学観測分野での需要が拡大していく中で、精密部品やセンサー技術を有するサプライヤーにとって、このような国際プロジェクトは潜在的な市場機会を代表するものとして浮上しつつある。

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Source:Phys.org

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