Strong magnetic fields could allow white dwarfs to grow beyond the Chandrasekhar limit
インド科学研究所(IISc)の研究チームによるシミュレーションで、強い内部磁場をもつ白色矮星はチャンドラセカール限界(太陽質量の約1.4倍)を超えて質量を増やせる可能性が示された。磁場をもつ炭素・酸素白色矮星の一つのモデルでは、太陽質量の約2.4倍に達したという。研究成果は『The Astrophysical Journal Letters』に掲載された。
白色矮星は、恒星が燃料を使い果たして外層を放出した後に残る、地球程度の大きさの超高密度の天体である。強い自転や磁場をもたない白色矮星の質量上限がチャンドラセカール限界で、これに近づくと中心部で炭素が点火し、Ia型超新星と呼ばれる爆発を起こす可能性がある。Ia型超新星の明るさは上限によって決まると考えられてきたため、宇宙膨張の研究で距離を測る目安として使われてきた。今回の研究チームは、恒星進化を計算する既存のコードSTARS(英国ケンブリッジ大学で開発)に磁場の効果と白色矮星の冷却を組み込み、主系列星の段階から、伴星から物質を受け取る連星系までを追跡した。その結果、初めは弱い磁場でも、質量が増えて白色矮星が縮み密度が上がるにつれて磁場が強まり、その圧力が自身の重力を支えて質量上限を押し上げることが分かった。観測面でも、太陽質量の2.8倍ほどまでの前駆星を示唆する指摘があり、理論予測を後押しする材料となっている。
今回の成果は計算に基づく理論研究であり、新たな観測データや実機の実験を伴うものではない。そのため、製造業の受注や製品仕様に直ちに影響する話ではない。ただ、Ia型超新星が距離測定の目安として使われている以上、爆発の明るさが前駆星の質量や磁場の強さによって変わりうるという視点は、距離の解釈に関わる可能性がある。将来、宇宙論の精度向上を目指す観測計画が広がれば、望遠鏡や検出器などの高精度な観測装置への需要が間接的に生まれることも考えられる。また記事は、白色矮星の半径が想定より大きい観測例も磁場の効果で説明できる可能性に触れており、恒星内部の理解が進むことの意義は小さくない。
日本の製造業や部品サプライヤーにとって、今回の研究が直接の取引機会につながる段階にはない。関わり方として考えられるのは、天体観測用の光学部品(レンズ、ミラー、フィルターなど)や、冷却型の撮像素子、望遠鏡の精密架台などを手がける企業である。Ia型超新星を使った宇宙論の観測が継続的に行われれば、そうした機器の高精度化への要求が長期的な需要として現れる可能性がある。ただし、どの観測計画が実際に予算化されるかは記事からは分からないため、当面は研究の進展を注視するのが妥当である。
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Source:Phys.org
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