Milky Way's disk grew 'upside down,' with younger stars forming in ever-thinner layers
天の川銀河の円盤は、古い星が多い厚い円盤と、若い星が生まれ続ける薄い円盤に分かれている。ガイア衛星の観測データを使った新しい研究は、その薄い層ほど新しい世代の星が生まれてきたこと、つまり円盤が「上下逆さま」に成長してきた可能性を示した。研究は天体物理学の専門誌The Astrophysical Journal Lettersに掲載された。
円盤の成り立ちについては、これまで二つの説が並んでいた。一つは、星はまず薄い円盤で生まれ、その後ガスの雲や渦状腕、銀河中心の棒状構造の影響を受けて円盤の外へ散らされるという説である。もう一つは、星の材料となるガスが次第に薄い円盤へ沈んでいき、世代を重ねるごとに薄い円盤で星が生まれるという説だ。両者を見分けるには個々の星の年齢を正確に知る必要があるが、特に古い星ではそれが難しかった。今回の研究は、ガイアのデータを色と明るさの図に当てはめて年齢と金属量の分布を導き、各星が円盤のどの位置にあるかも調べた。
結果として、約108億年前を境に円盤の厚みの減り方が大きく変わったことが分かった。それより前は、厚みが1.26キロパーセクを超える状態から約0.5キロパーセクまで、わずか20億年ほどで急速に薄くなった。その後は緩やかに薄くなり、最も若い星の層は約0.1キロパーセクの厚みに落ち着いたという。この結果は、厚い円盤の古い星が後から散らされてそこに来たのではなく、円盤がまだ厚かった時期にその場で生まれたことを示すと考えられる。薄い層ほど新しい星が生まれたという構図は、この解釈と整合する。
宇宙産業の観点から見ると、この研究は観測データの価値を高める事例である。ただし、用いられたのは2022年に公開されたガイアのデータの再解析であり、新しい機器や打ち上げを直接示すものではない。一方で、星の年齢のような微細な差を読み取るには、観測機器の精度と安定性が欠かせない。その前提には、光学系や検出器、衛星の姿勢を支える構造部材など、高い精度で作られた部品があると考えられる。
日本の製造業にとって、今回の研究が直接の受注につながるわけではない。しかし、天文観測の高精度化は、光学部品や精密加工部品、計測技術への要求が今後も高まる流れの延長にあると考えられる。宇宙向けの部品は要求精度が厳しいため、精密加工や品質管理の実績を持つ部品サプライヤーが関わる余地は残されているだろう。
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Source:Phys.org
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