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X-rays and AI reveal how spacecraft heat shields burn in real time

NASA と米国立研究所 Lawrence Berkeley National Laboratory が協力し、宇宙船の耐熱シールドが大気圏再突入時に燃え尽きる過程を、リアルタイムで観察する技術を開発した。これまで研究者は再突入前後の静止画のみで耐熱シールドを評価していたが、その間に何が起きているのかは謎のままだった。

宇宙船の耐熱シールドはアブレーション(材料の剥離)という現象を利用している。加熱された材料が宇宙船から落ちることで、再突入時の莫大な熱エネルギーを宇宙空間に逃がす仕組みだ。この方法はマーキュリー・ジェミニ時代からアルテミスまで続く標準的な手法だが、大きな課題を抱えている。一度アブレーションが発生した材料は復元不可能で、毎回新しい素材に交換が必要になる。さらに厄介なことに、この複雑な熱・流体現象は数値シミュレーションで再現するのが難しく、予測と実際のズレが生じやすい。最近の例では、アルテミスの無人試験飛行で予期しない焦げ変色と不均等な材料損失が観察されたという。こうした予測外の現象が続けば、重大な装置損失や打ち上げの遅延につながるリスクがある。

この問題を解決するため、ALS が開発した新しい実験技術が活躍する。研究チームは 1650℃に達する再突入環境を部分的に再現するため、900℃まで加熱できる特殊な試験チャンバーを設計した。そこに圧力や大気ガス組成の制御機能を備え、材料が崩壊する過程を観察した。観察には X線マイクロ CT(X線マイクロコンピュータ・トモグラフィ)を使用し、3 次元の構造変化を記録した。しかし高精度と高速取得のトレードオフが課題だった。高い解像度で撮像すれば時間がかかり、変化を見落とす恐れがある。一方、高速で撮像すれば詳細が失われる。この問題を解決するため、研究チームは AI(生成的対抗ネットワーク)を導入した。低解像度の連続高速スキャンを大量に取得し、学習モデルを用いて高解像度に変換することで、速度と精度を両立させたのだ。

研究対象となった二種類の耐熱材料 SLA-561V とSLA-220 は、全く異なる劣化メカニズムを示した。天然のコルク粒子を含む SLA-561V は急速に気化して内部に空隙が生じ、シリコーン系のマトリックス材 SLA-220 は枝分かれした微細な通路が形成される。こうした差異は再突入時の宇宙船の熱管理に根本的な影響を与える。これまで劣化後の外観のみを観察していたが、劣化の動的過程そのものを見えるようにすることで、シミュレーション精度の大幅な向上と、設計最適化の可能性が広がった。

国内の耐熱材料メーカーや関連部品サプライヤーにとって、こうした国際的な研究成果は今後の設計・製造プロセスの高度化に直結する情報となると考えられる。現在、このシミュレータの更新はまだ行われておらず、商業企業の製品についても分析されていない。ただ再突入を経験する民間機が増えるにつれて、日本企業が取り組む衛星補給機やロボット衛星など成長する市場では、より信頼性が高く、予測精度に裏付けられた部品供給が求められるようになるだろう。このような技術進化は、単に品質向上に止まらず、サプライチェーン全体における競争力の源泉になる可能性がある。

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Source:Phys.org

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