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Mercury's crust points to deeper, hotter volcanic origins than expected

水星の表面に含まれる二酸化ケイ素の量が、従来の予想より大幅に少ないことが判明した。ドイツの研究チームがこの成果を報告し、11月に到着予定のESA・JAXA合同探査機「ベピコロンボ」により、さらに詳細な測定が行われることになる。

地球と水星の進化の道は根本的に異なる。地球は今もプレートテクトニクスと火山活動によって地殻が常に動いているのに対し、水星は形成から約10億年後には火山活動が停止し、固い岩の外殻が形成されたと考えられている。この違いから、水星の火山史と現在の表面がどう形成されたかは長く謎のままだった。今回の研究は、水星表面の化学組成を分析することで、その謎に光を当てるものである。マックス・プランク太陽系研究所とドイツ国内の複数の大学の研究チームは、赤外線計測データから水星表面の二酸化ケイ素の含有量を従来より正確に測定した。その結果、質量分率で約37%という値が得られたが、これは従来の予想より最大25%少ないという予想外の結果だった。

この発見の意味を理解するには、二酸化ケイ素の役割を知る必要がある。地球では砂や火山岩(玄武岩、安山岩、花崗岩など)に豊富に含まれ、多くは75%程度まで含有している。若い惑星のマントル(地殻下の層)では、冷却過程で最初に形成される岩石が比較的少ない二酸化ケイ素しか融液から抽出しないため、地表に上昇する溶岩は時間経過とともに二酸化ケイ素がより豊富になっていく。つまり、表面に含有量が少ないということは、マントルの温度がより高く、より深い場所からマグマが生成されたことを示唆している。水星の火山活動は数十億年前に停止しているため、当時の内部環境がいかに高温であったかが推測できるのだ。もう一つの可能性として、水星がかつてより多くの二酸化ケイ素を持っていたが、時間とともに酸素を失った可能性も指摘されている。

この研究が注目に値するのは、その方法論の独創性にもある。水星には着陸機が降り立ったことがなく、岩石サンプルも存在しない。そこで研究チームは、テレスコープと探査機から得られた遠隔探知データ、特に赤外線放射の情報から成分を推定することにした。まず実験室で、半ミリ程度の微小なガラスビーズを二酸化ケイ素の含有量を厳密に制御して製造し、その赤外線特性を測定した。これを秤の校正分銅に例えるなら、二酸化ケイ素の含有量と赤外線放射特性の関係を正確に把握することで、遠隔計測データから正確な結論を導き出せるようになったのだ。この校正関係を検証するため、月表面のデータを用いた。NASAの月周回衛星が蓄積してきた高解像度の赤外線計測データと、過去のアポロ計画を含む月面採取サンプルの分析結果を照らし合わせることで、手法の信頼性を確認した。こうして月表面全域の二酸化ケイ素含有量の最初の完全マップが作成されたのである。

今年11月、ベピコロンボは水星の軌道に投入される予定だ。ESAとJAXAそれぞれが提供した2つの探査機から構成されるこのミッションに搭載されたMERTIS装置は、従来より大幅に高精度で高解像度の赤外線計測を行う。ドイツ航空宇宙センターと複数の大学が中心となって開発・製造したこの装置により、水星表面の二酸化ケイ素含有量に関する最も正確な情報が得られることになる。この研究の知見は、ベピコロンボのデータから最大限の情報を引き出すための基礎となる。日本の製造業にとって、こうした高精度計測装置の開発・製造に関わる部品・素材メーカーが、国際的な宇宙科学プロジェクトに貢献する機会は増えていくと考えられる。水星のような遠い天体の謎を解くために必要な精密機器やセンサー、材料技術は、製造業の技術革新を通じて実現されるからである。

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Source:Phys.org

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