Artemis II commander Reid Wiseman named deputy director for NASA's Jet Propulsion Laboratory
ジェット推進研究所(JPL)の副所長に、アルテミスIIの乗組員だったライド・ワイズマン元宇宙飛行士が就任することが発表された。着任は11月30日の予定である。JPLはカリフォルニア工科大学が運営するNASAの研究所で、アルテミスIIの4人はいずれも宇宙飛行士としての現役任務を退き、新たな役割へ移っている。ワイズマン氏はその中で最後に次の進路を明らかにした一人となる。
アルテミスIIは4月に打ち上げられ、オリオン宇宙船で月の裏側を回って10日間で帰還した。半世紀ぶりとなるNASAの月周回有人飛行であり、地球から最も遠く離れた有人飛行の記録も作った。ワイズマン氏は9月に「名誉宇宙飛行士」への移行を発表した。パイロットのビクター・グローバー氏は母校のカリフォルニア州立工科大学(Cal Poly)で学長を補佐する役職に就き、ミッションスペシャリストのジェレミー・ハンセン氏はカナダ空軍の予備役に入った。クリスティーナ・コッホ氏はNASAの副主任技術者代理に任命されている。計画の先では、2027年中頃にオリオンと2機の月着陸船(スペースXのスターシップ、ブルーオリジンのブルームーン)を組み合わせた飛行試験のアルテミスIIIが予定されている。その後のアルテミスIVで2028年の初の有人月面着陸を目指す構えである。
ワイズマン氏は、NASAの主任宇宙飛行士として乗組員の準備や飛行安全を統括した経験を持つ。JPLは火星探査車や欧州の木星氷衛星探査計画に関わるEuropa Clipper、ボイジャーなどを手がけ、深宇宙との通信網も運用する研究所である。運営全体の戦略と改善を担う副所長に、有人飛行の運用を現場で経験した人物が入るという人事は、有人月計画と無人の科学探査が蓄積してきた運用ノウハウが組織の中で交わり始めていることを示すと考えられる。有人と無人のどちらでも、運用の確実性が求められるのは変わらない。今後はその考え方が計画の進め方に反映される可能性がある。
アルテミス計画は飛行試験、着陸と段階を踏んで進むため、オリオンや月着陸船に関わる機器や材料への要求は当面続くと見られる。ただし、今回の人事がすぐに発注へ結びつくわけではない。日本の製造業の立場では、有人飛行の運用を知る人物が研究所の運営に加わる流れは、安全性や品質管理をさらに重視する方向へ進む兆しとして読める。部品や素材を納める側にとっては、トレーサビリティや信頼性の証明を求められる場面が増えると考えられる。月面を目指す計画は長い時間をかけて進むため、その水準に早めに対応しておくことが将来の参入機会を広げる準備になるだろう。
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Source:Space.com
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