SpaceX thrusters just made a Tesla Roadster 'fly' (and Elon Musk's car is still out there in space)
2026年10月16日夜、テスラが次世代ロードスターを公開し、スペースXのスラスターを使って車体を「飛ばす」デモを行った。テキサス州マクレガーにあるスペースXのロケット試験施設から配信されたライブ公開で、車体は傾斜した壁面を駆け上がり、張り出した縁に逆さまに張り付いた。その後、縁から宙へ飛び出して空中で側転し、柔らかく着地した。
ロードスターは2017年に発表され、当初は2020年の発売が予定されていた。2018年にはイーロン・マスクが新型車にスペースXの技術を組み込むオプションを示し、小型スラスターを車体周りに約10基配置する構想を語っていた。今回のデモでは、車体後部のメインスラスターと姿勢制御用のスラスターに加え、シャーシのファンによる吸着機構が使われた。推進に用いる圧縮空気は600リットル(約250キログラム)とされ、炭素繊維で補強した圧力容器に蓄えられるという。演出の元ネタは、2018年のファルコンヘビー初打ち上げで宇宙へ送られた初代ロードスターと、運転席のマネキン「スターマン」である。量産は2028年を目標としており、予約は「Performance」が5万ドル、「Thrust」が25万ドルだ。「Rocket」版は招待制とされている。
今回の見せ場となった冷ガス・スラスターは、ロケットや衛星の姿勢制御で使われてきた比較的単純な推進方式である。宇宙用の推進技術を地上の乗用車に持ち込む試みとして、宇宙と民生品の境界が少し動いた例だと言える。ただし記事の性格はデモンストレーションの紹介であり、実走行での性能や安全性、規制当局による認証についての情報は示されていない。マスク自身も「安全性を最適化した車ではない」と述べている。したがって、この発表が宇宙産業の需要をすぐに押し上げるとは判断しにくく、宇宙用の小型推進技術が民生分野で話題になった、と受け止めるのが妥当と考えられる。
製造業の視点で見ると、記事から直接読み取れるのは、圧縮空気を蓄える炭素繊維製の高圧容器、スラスターへ空気を送るバルブや配管、吸着用ファンやシール材といった部品の存在である。記事は調達先や仕様を示しておらず、どの企業がどの部品を担うかは不明だ。ただし仮に量産段階に進めば、高圧部材の耐久性試験や薄肉の複合材容器の品質管理、小型で信頼性の高いバルブへの要求が高まる可能性がある。日本の部品サプライヤーにとっては、宇宙用の部品技術を民生向けの量産要件にどう合わせるかを考える参照点になりうる。一方で、2028年という生産目標はまだ先の話であり、現時点で発注や仕様が決まった段階ではない点は押さえておきたい。
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Source:Space.com
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