Earth's poles shifted surprisingly fast during the age of dinosaurs, ancient sea levels reveal
地球の地理的な極の位置が、恐竜の時代に従来考えられていたより速く動いていたことが、古代の海面変動の記録から明らかになった。研究はオスロ大学の研究チームが行い、成果は10月1日付で科学誌『Science』に掲載された。極の移動は小さいか遅かったとする通説を見直す内容であり、地球内部の動きへの理解が一段進んだと言える。
ここで扱われているのは「真の極移動(true polar wander)」と呼ばれる現象で、地球の自転軸の傾きそのものが変わる現象とは別物である。地球は完全な球体ではなく、自転の影響で赤道方向がふくらんだ扁平な形をしている。そのため質量の分布に偏りが生じると、地殻とマントルが自転軸と内部の核に対してずれ、釣り合いを取り戻そうとする。大陸地殻が一方の半球に集まる場合などがその一例とされる。従来はこの動きを、古い岩石に残る残留磁気を使って調べてきたが、手法の精度に限界があり、研究者の間で結論が大きく食い違っていた。今回のチームは、海面変動が南北両半球で大きさが等しく逆向きに現れる「四重極」型のパターンに着目した。過去3億2000万年の記録を1000万年ごとの区間に区切って統計モデルを当てはめた結果、極の移動が集中した期間が4つ特定された。その時期は、約1億9000万〜2億年前、約1億4000万〜1億5000万年前、約9000万〜1億年前、約3000万〜2000万年前である。最も速い時期には、地表が自転軸に対して100万年あたり最大0.6度動いたとされる。
この移動は、極に近かった地域が低緯度へ移り、逆に低緯度だった地域が極に寄る形で、気候の条件を変えうるものだ。大気循環のパターンにも影響が及ぶため、地域にとどまらず地球規模の気候に波及する可能性があると考えられる。恐竜の時代から人類の遠い祖先にあたる初期の霊長類が現れるまでの期間に、こうした環境の変化が重なっていたことになり、生物進化の背景として注目すべき点である。研究チームはまた、約3億年前に超大陸パンゲアが北へ移動したとされる件について、これは極の移動ではなくプレートテクトニクスによるものだと切り分けている。地球の回転に関わる動きと大陸の移動を分けて読み取る方法が精密になったことは、地球科学の土台として重要である。一方で、この研究の内容は宇宙産業の市場や調達に直接関わるものではない。
製造業の立場から見ると、この研究がすぐに部品の需要や仕様の変更に結びつくわけではない。ただ、地球を基準にした測位や地球観測の分野では、地上の基準座標と地球の自転の関係が精度に影響すると考えられる。極の長期的な動きについて理解が深まれば、そうした基準系の設計や検証に関わる分野で、間接的に前提が見直される可能性はある。日本の部品・装置メーカーにとっては、高精度な計測機器や地上局向けの機構を手がける場合に、地球物理の前提を知っておくことが将来の要求仕様を読み解く手がかりになるだろう。すぐに受注へつながる話ではないが、基礎研究の動向を押さえておく価値はある。
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Source:Space.com
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