'Stupendously large black holes' aren't a major component of dark matter, study finds
ダークマターの正体は依然として不明だが、その有力候補のひとつである「超巨大ブラックホール」が、ダークマターの大部分を占めるという説には否定的な結果が出た。銀河全体より重い超巨大ブラックホールが、宇宙の物質の大半を占めるとされるダークマターの主要な構成要素ではないことを、新たな研究が示したと報じられている。
ダークマターは、銀河が回転によって分解しないようにする重力の源として数十年前から想定されてきた、目に見えない物質である。宇宙全体の物質のおよそ5分の6を占めるとされるが、その正体は分かっていない。候補のひとつがブラックホールで、質量が大きく暗い宇宙空間では観測しにくいという点が注目されてきた。今回の研究では、太陽の1000億倍を超える質量を持つ超巨大ブラックホールが、ダークマターを構成しうるかが検討された。現時点で観測された最大のブラックホールは太陽の約360億倍とされ、これほど重いものはまだ見つかっていない。研究チームは、多数の銀河を調べても確認されていないことから、全量を担うことはないと指摘している。
研究チームはそのうえで、宇宙初期の光である宇宙マイクロ波背景放射を解析した。背景放射の温度のむらは約10万分の1ほどで、そこに含まれる物質分布のパターンから、もし超巨大ブラックホールが大量に存在していれば生じたはずの粒状の偏りが見られないことが確認された。この結果から、超巨大ブラックホールがダークマターの大きな割合を占めるとは考えにくい、という結論が導かれている。ただし研究者らは、超巨大ブラックホールの存在そのものを否定したわけではなく、あくまでダークマターの主要な割合を占めないことを示したにすぎない点を強調している。小惑星ほどの大きさの小型ブラックホールについては、今後の検討課題として残されている。
宇宙科学にとって、この結果はダークマター探索の候補を絞り込む意味を持つ。ダークマターを「宇宙全体に細かく広がる塵」と見るか、「少数の巨大な塊」と見るかで、観測や理論の方向性は大きく変わる。宇宙マイクロ波背景放射という既存の観測データを用いて候補を検証できた点は、天体物理学の手法として重要である。一方で、この研究は小型ブラックホールなど他の候補がまだ残ることも示しており、ダークマターの正体が解明されたわけではない。
日本の製造業やサプライヤーにとって、この種の基礎研究が直接に部品や装置の需要を生むわけではない。ただし、宇宙望遠鏡や観測装置には高精度の光学部品、低温で動作する検出器、精密な構造部材などが使われており、観測の精度を支える部品の品質要求は今後も高まると考えられる。ダークマター探索に関わる観測計画が進めば、そうした精密加工や材料技術への関心が広がる可能性がある。
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Source:Space.com
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