Astronaut Jonny Kim leaves NASA, will return to active military duty
ジョニー・キム宇宙飛行士がNASAを9年で退職し、米海軍の現役任務に復帰する。医師でありながらNAVY SEALでもあった彼の離職は、米国の宇宙開発における人材戦略とキャリアパスのあり方を問い直させる動きとして注目される。
キムは2017年のNASA宇宙飛行士クラス選抜で選ばれ、同期とともに活動を開始した。ハーバード大学医学部出身で、海軍の双資格者である彼(海軍航空士と船医)はさらにNAVY SEALの経歴を持ち、100回を超える戦闘作戦で活動してきた。シルバースターとブロンズスターを含む多数の勲章を獲得するなど、軍人としても異例の経歴である。NASA入局後はミッションコントロール側でのキャプコム業務、アルテミス計画への貢献、ISSの各種運用に携わり、2025年4月に宇宙飛行の機会を得た。医学、軍事、航空能力、そして宇宙飛行という統合的背景を持つ人物である。
飛行はロシアのソユーズ宇宙船での実施となった。キムはロシア人宇宙飛行士セルゲイ・リジコフとアレクセイ・ズブリツキーとともにISSへ向かい、245日間滞在して地球を3920周、約1億6700万キロメートルを移動した。技術開発と宇宙探査に貢献する科学実験を実施し、12月にカザフスタンに帰還した。このミッション構成は現在の米露宇宙協力の継続を象徴している。米国は国際的な緊張下においても、ISSの運用においてロシアとの協調関係を保ち続けている。
にもかかわらず、キムはNASAを去り、海軍航空訓練における現役任務を完了するために離職した。同じ2026年には、マイク・フィンクやアルテミスII月周回ミッション選抜クルーのジェレミー・ハンセン(カナダ)も宇宙機関を離れている。この動きはNASAが育成した人材が必ずしも宇宙機関に留まらないという現実を示唆している。軍関係の背景を持つ者にとって、宇宙飛行士のキャリアは一時的なステップに過ぎず、軍での責務へ帰還することが最終目標となり得るという事実である。
国際宇宙ステーションはロシアの宇宙船、米国の宇宙船、各国の部品・装置が統合された施設である。ソユーズの定期運用には各国の製造業による部品・システム供給が必須であり、日本の宇宙関連メーカーもこの国際協力体制の一部として機能している。キムの退職という個人的決定は小さな出来事に見えるかもしれないが、米国の宇宙戦略の方向性、人材流動性の変化、防衛とのつながりの深化は、宇宙産業全体のサプライチェーン安定性に対して、今後の変化への警戒を促す信号として機能する可能性がある。
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Source:Space.com
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