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Radiation-shielding vest aced Artemis I lunar test, could protect astronauts on moon and Mars missions

イスラエルのスタートアップStemRadが開発した放射線シールド・ベスト「AstroRad」が、NASAのアルテミス1ミッションで実地テストに成功した。太陽からの強力な放射線から宇宙飛行士を保護する個人用防具として、月・火星での長期滞在ミッションにおける健康リスク低減に道を開く結果となった。

宇宙飛行士の被曝は、月面・火星での長期ミッション遂行の大きな課題である。特に太陽粒子イベント(太陽嵐に伴う放射線爆発)は予測が難しく、瞬間的に大量の高エネルギー粒子が放出される。従来のアプローチは宇宙船全体を遮蔽材で覆くことだが、十分な厚さを確保しようとすると重量が増加し、打ち上げコストや燃料制約から現実的でない。そこで着目されたのが、宇宙飛行士の体を保護する衣類型防具である。AstroRadは、ロッキード・マーチンとイスラエル宇宙庁のサポートを受けて設計された。

AstroRadが採用する材料は、高密度プラスチック(水素を豊富に含む)である。放射線遮蔽といえば鉛が標準的だが、宇宙空間の高エネルギー粒子に対しては鉛は有効ではない。ベータ粒子が鉛に衝突するとX線が増倍し、中性子が衝突すると中性子が飛び出して遮蔽効果が逆転する。一方、水素原子は単位体積当たりの電子密度が最も高く、粒子を効果的に減速させ、中性子衝突による多重放射も生じない。このプラスチックは鉛より軽く、動きやすさと重量制約を両立させた。ベストは六角形の剛性プラスチック棒を千個単位で組み合わせた構造で、総重量は約26キログラム。

設計上の工夫は、臓器・組織ごとに放射線感度が異なる点を活かしている。放射線に高感度な臓器(特に女性の乳房と卵巣)に厚いシールドを配置し、感度が低い部位には薄くすることで、同じ重量のシールドを均一配置するより約30%効率が上がる。アルテミス1では、人間の組織密度・臓器を模した人体模型2体(女性設定)を使用した。1体にはAstroRadを装着し、もう1体は装着しない状態で、月軌道への26日間のミッション中に受ける放射線を測定した。実際の大規模太陽粒子イベント(1972年8月の事例)に対する効果を解析すると、約60%の被曝低減が期待できることが判明した。これは当初の予測(45%程度)を上回り、選別的シールド戦略の有効性を実証した。

こうした防護衣の実用化は、今後の月面・火星ミッションの安全基準に影響を及ぼす可能性がある。軽量化・耐久性改善の進展に伴い、高性能プラスチック材料や精密放射線センサー、微細組立工程といった部品・製造技術の需要が増加するとみられる。日本の素材メーカーや精密加工企業にとって新たなサプライチェーン機会を意味する。

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Source:Space.com

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