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ATMOS Moves Forward with Phoenix 3 as Phoenix 2 Launch Slips

ドイツの宇宙ロジスティクス企業ATMOSが、再利用可能な軌道上機体「Phoenix 3」の初期設計研究を欧州宇宙機関(ESA)との共同作業で完了した。同時に、同社の先行機体「Phoenix 2」の打ち上げが予定より数ヶ月遅れることが明らかになっており、開発ロードマップの調整と次世代機体への投資が並行して進められている状況が浮き彫りになった。

Phoenix 3の設計研究はESAのコンカレント・デザイン・ファシリティ(CDF)でまとめられたもので、1000キログラム超のペイロードを搭載できる仕様が検討された。特筆すべきは、大型の膨張式大気減速装置を使用して地球大気圏への再突入時の安全性を確保する設計となっている点である。この研究はPhoenix 3開発の最初の段階(Pre-Phase A)に当たり、次段階の詳細設計(Phase A)に向けた基盤を提供するものと位置づけられている。ESA側は、第三者アクティビティ・イニシアティブを通じて技術支援と検証インフラを提供したが、Phoenix 3はESA公式プログラムではなく、ESAからの直接的な資金供与を受けていない。

Phoenix 3の開発資金は、ATMOSが2026年4月に調達した2570万ユーロのシリーズAラウンドから充当されている。この資金は、Phoenix 2機体の初期フリート3機の建造、政府・防衛向けビジネス部門「ATMOS WORKS」の立ち上げ、Phoenix 3開発の開始に充てられるとされた。一方、Phoenix 2の初号機打ち上げは当初2026年下半期の予定だったが、2027年初頭への延期が判明している。遅延理由は公表されていないが、リユーザブル機体という新分野での試験・検証プロセスの複雑性を反映している可能性がある。

Phoenix計画の商業的な意義は、低軌道から商用ペイロードを制御された条件下で地球に回収できるサービスを実現する点にある。既存の軌道上機体の多くは使い捨てか、ISS回帰程度の限定的な運用だが、ATMOSが目指すのは、ポルトガルのアゾレス上空をターゲットにした継続的な回収オペレーションだ。このような軌道上物流の基盤が整備されれば、衛星や観測機器、実験装置など、回収価値の高い有人・無人ペイロードの需要が拡大することが想定される。

日本の部品・装置・素材メーカーにとっては、このような再利用宇宙機体の開発が進むことで、耐熱素材、軽量構造材、推進系コンポーネント、制御電子機器など、多くの要素技術の受託製造機会が生まれる可能性がある。特に膨張式減速装置のような高度な軽量構造技術は、日本の繊維・複合材料産業の強み領域と重なる部分も少なくない。Phoenix 2の本格運用が始まれば、その実績を踏まえてPhoenix 3向けの部品サプライチェーンが構築されるタイミングが訪れると考えられ、前もっての提案・営業活動が有効な時期ともいえる。

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Source:European Spaceflight

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