Lynk and Omnispace form Elveo Mobile to advance D2D services
衛星直接通信(D2D)事業のLynk GlobalとOmnispaceが経営統合され、8月17日に新会社Elveo Mobileとして営業を開始した。米国と海外の規制当局から必要な承認をすべて得ての決定で、この統合によってOmnispaceが保有する60MHzのS帯域スペクトラムとLynkのD2Dプラットフォームが統合され、衛星経由でのメッセージング以上の機能を提供できるようになる。
Lynkはこれまで小型衛星7機を展開して、島国の限定的な地域でメッセージング・アラートサービスを提供してきた。一方、Omnispaceは600機以上の衛星によるD2D提供を計画していたが、SpaceXのスターリンク・モバイルとの周波数干渉問題を報告して計画が停滞していた。スターリンク・モバイルはT-Mobileから携帯周波数を借りて既に650機以上の衛星でサービスを展開しており、来年には次世代D2D衛星の打ち上げを開始する予定だ。Lynkもこれまで携帯事業者(MNO)の周波数を利用してサービスを提供していたが、専用のスペクトラムを獲得することで、より大容量のデータ通信に対応できるようになる可能性がある。SpaceXやAST SpaceMobileなど競合各社も同様の戦略をとっており、D2D市場での周波数確保の競争が激化していることが背景にある。
Elveoのトップは50以上のMNO(携帯事業者)と60以上の国での契約済みを述べており、今年中に戦略提携と投資の発表、製造・打ち上げ関連のニュース発表を予定している。ルクセンブルクの衛星事業者SESは両社への投資者で、引き続き主要株主の地位を保有している。Lynkは以前、SESの静止軌道(GEO)・中軌道(MEO)衛星を活用してグローバルで継続的なD2Dサービスを2027年までに実現する計画を発表しており、SESが今年展開したMEO検証衛星2機もその計画を支える設計になっている。
この統合が示唆する意味は、D2D衛星通信市場での競争がいよいよ本格化し、各企業がスペクトラムと衛星インフラの統合を通じて地上の携帯ネットワークとの相互補完を目指していることである。これまで衛星D2Dはニッチ市場として扱われてきたが、地球規模での通信インフラ整備と災害時・辺境地における通信確保という用途が認識される中で、市場拡大の可能性が高まっている。日本の衛星メーカーや通信機器メーカー、部品サプライヤーにとっては、こうした衛星コンステレーション事業者による衛星製造・調達拡大が商機になり得る。また、スペクトラムの確保と周波数干渉への対応が重要になる中で、通信機器の設計・検証にも新たな要件が生じる可能性があり、日本の製造業全体が対応を迫られる局面が近づいている。
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Source:SpaceNews
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