NASA Tests Dual Mode Propulsion CubeSat Ahead of Launch
NASAが一つのタンクから高スラストと低スラストの二つのエンジンに燃料を供給する統合推進システムを搭載した小型衛星「ASCENT」のテストを完了し、10月以降の打ち上げを控えている。従来は質量と体積が大きい別々の推進システムが必要だったが、この新しい設計により衛星の質量を削減し、より小さく廉価なロケットでの打ち上げが可能になる。
これまで宇宙機は、軌道投入などの急速な機動に用いる高スラスト化学エンジンと、姿勢維持などの効率的で緩やかな機動に用いる低スラスト電気エンジンという二つの推進システムを別々に搭載してきた。複数の燃料タンク、複雑な配管と弁が必要となり、衛星本体の重量と占有体積を圧迫していた。ASCENTミッションで試験される新しい設計は、非毒性のASCENT推進薬という共通の燃料を単一のタンクから制御弁を経由して両方のエンジンに供給することで、この課題を解決しようとしている。衛星本体は大きな靴箱程度のサイズで、MITが開発した電気推進器、Plasma Processesの化学推進モジュール、ジョージア工科大学による衛星バス統合など、複数の機関が協力して開発されている。
地上テストはNASAマーシャル宇宙飛行センターの施設で実施され、推進システム全体の完全性を確認するためのヘリウム漏洩試験、真空中での過酷な熱環境変化に耐える能力を検証する熱真空試験、衛星の質量特性と重心位置を測定するスピンテストなど、軌道上での安定した運用を保証するための厳密な試験が行われた。特に単一タンクのシステムでは燃料供給配管と弁の密閉性が極めて重要であり、この点での検証は設計の信頼性と運用安全性に直結する。テスト完了後、太陽電池パネルの統合と最終的なシステムチェックアウトを行ったうえで、打ち上げ地への輸送を予定している。
宇宙産業全体にとって、推進システムの統合と最適化は衛星の機能向上と打ち上げコストの削減を実現する重要な課題である。ASCENTの成功は、より多くの科学機器を搭載可能にしつつ、同時に小型ロケットでの打ち上げ需要を高める可能性がある。打ち上げは10月1日以降、カリフォルニア州バンデンバーグ宇宙軍基地からスペースXのファルコン9ロケットで行われ、地上から約325マイル上空の軌道で9ヶ月間のミッションを実行する予定である。軌道上では初期チェックアウト後、高スラスト化学エンジンと低スラスト電気エンジンの両方を用いた軌道変更機動を繰り返し実施し、統合推進システムの実運用性能を実証する。
日本の衛星部品サプライヤーやエンジン開発メーカーにとって、こうした統合型推進システムの標準化動向は注視する価値がある。将来的に日本の衛星や小型ロケットがこのような設計思想を採用する場合、推進薬タンク、弁制御システム、スラスター周辺機器など多くの部品が新たな要求仕様に適合する必要が生じると考えられる。本ミッションの成果は、そうした変化に向けた業界全体の技術準備が加速することを意味しうるのである。
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Source:NASA
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