NASA Satellites Observe Historic 2026 El Niño
NASAの衛星観測により、2026年秋に進行中のエルニーニョが海面高度、海面水温、海の色の三つの面から捉えられている。エルニーニョは太平洋赤道域の海水温が平年より高くなる気候現象で、おおむね2〜7年に一度現れる。米海洋大気庁(NOAA)は2026年10月時点で、1950年以降で最も強いエルニーニョが進行中である可能性を83%とみている。農業や消防、沿岸地域の人びとがすでにその影響を受けており、観測の重要性は高まっている。
経緯を追うと、兆候は2026年1月の衛星画像に現れた。西太平洋のミクロネシア付近で、「ケルビン波」と呼ばれる暖かい海水の盛り上がりが確認されたのである。ケルビン波は数千マイルに及ぶ長大な波で、太平洋を西から東へ熱を運ぶ。温められた海面の上で空気が上昇し、気圧の変化によって通常は南米からアジアへ吹く貿易風が弱まる、あるいは逆転する。その結果、東太平洋の海面はさらに上がり、海水もさらに温まる。記事によれば、4月初旬までに波は東太平洋に達し、一部では海面高度が30〜40センチメートル上昇した。海面高度の観測は1993年から衛星高度計で続けられており、現在はSentinel-6の系列がその記録を引き継いでいる。東太平洋の海水温は平年より約1.7度高く、今後さらに上がる可能性があるとされる。
海の色の変化も注目点である。記事は、赤道域の太平洋で植物プランクトンが減り、海が青みを増していることを伝える。エルニーニョの際は貿易風の弱まりで深層の栄養塩が表層に上がりにくくなり、植物プランクトンが減る。その食物連鎖の乱れによって、ほかの海洋生物が餌場を移す可能性があると記事は述べる。PACE衛星の海色観測装置は、数百の波長で海を捉えることで、こうした変化をほぼリアルタイムで確認できる。多波長の観測や長期にわたる連続データは、気候予測の精度や漁業・農業など影響の把握を高めると考えられる。宇宙産業の側から見ると、こうした観測を支える高精度な電波高度計や放射計、分光機器への需要が今後も続く可能性がある。
日本の製造業にとっては、この種の観測装置を構成する部品や素材が関わりうる。たとえば、光学レンズや反射鏡の高精度加工、マイクロ波関連の電子部品、宇宙環境に耐える素材や熱制御部品などである。記事は部品の調達や受注の動向には触れておらず、ここでの見方は推測にとどまる。ただ、観測機器に求められる精度、耐環境性、軽量化の要求は厳しくなる傾向にあると考えられるため、精密加工と検査の技術を持つサプライヤーには参入の余地が広がるかもしれない。まずは観測機器の要求仕様を把握し、自社の加工や検査で応えられる工程を見極めることが第一歩になると考えられる。
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Source:NASA
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