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NaviGate successfully demonstrates onboard precise orbit determination aboard D-Orbit’s ION Satellite Carrier

イタリアのスタートアップNaviGateが、衛星搭載コンピュータ上で軌道位置をリアルタイムで計算するソフトウェア「NaviCode Caravel」の軌道上実証に成功した。既存のGNSSレシーバーの生データだけで、追加ハードウェアなしに5cm級から分オーダーの精度を実現している。

衛星の正確な軌道位置把握は現在、ほぼ全面的に地上に依存している。運用者は地上の専門チームや通信施設を使い、衛星との繰り返される交信を通じて初めて軌道を推定し予測することができる。しかし衛星コンステレーション時代の到来により、この地上中心の運用モデルが課題を生じさせ始めている。数百個単位の衛星群が低軌道に展開され、ミッションの応答性がより求められるようになると、管制コストの増加、チームの業務過多化、対応時間の延伸は避けられなくなるからだ。NaviCode Caravelはこの構図を変える可能性を持つ。衛星が自分の搭載コンピュータで位置決定計算を実行し、既に装備されているGNSSレシーバーの生測定値から、高精度かつリアルタイムで自分の位置を算出する。特に重要な点は、現在位置の算出にとどまらず、将来の軌道を予測し、その予測の信頼度も同時に計算できることだ。こうして衛星は地上からの指示を逐一待つのではなく、地上局交信やペイロード動作といった将来のイベントを自分で認識し、自律的に対応できるようになると考えられる。

実証はD-Orbitが提供する軌道上実証サービスを活用し、二段階で実施された。地上でバリデーション後、既に軌道で稼働中の実証衛星にソフトウェアをアップロードし、実飛行から得たテレメトリを処理する試験を複数回繰り返した。計算は予定通り実行され、異常は生じなかった。GPS単独での位置精度は最良値で5.2cm、複数回の試験における平均値は分レベルに収まった。地上に返された計算結果は、欧州宇宙機関(ESA)の標準軌道決定ソフトウェアを用いた従来型処理で得た参照値と照合され、互いに矛盾なく一致することが確認された。本ソフトウェアは設計段階から複数衛星システムやSBAS、ガリレオHASといった信号源にも対応する方針で開発されており、運用ではさらに高精度が期待できる。

この成功は衛星運用の本質的な転換可能性を示唆している。衛星が自分の位置を自分で把握できるようになれば、地上インフラへの依存度が大幅に低減し、大規模コンステレーション時代の運用コストと機動性は飛躍的に改善される可能性が高い。アースオブザベーション、測位・測時(PNT)衛星、ロケット・軌道移送機など複数のミッションカテゴリで応用が想定されており、宇宙産業全体のサプライチェーンに構造的な影響をもたらすと考えられる。

日本の精密部品・装置メーカーにとって、衛星の自律化傾向は製品要件の変化をもたらす。GNSS受信機、搭載コンピュータ、慣性センサなど自律位置決定を支えるキーコンポーネントの精度向上がより一層重要になる一方で、地上ステーション関連製品への発注パターンは変わる可能性がある。宇宙産業のトレンド変化に適応した製品開発と、新たな価値提供方法を模索する重要な転機に入りつつある。

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Source:SpaceNews

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