NASA Names Astronaut Christina Koch Acting Deputy Chief Engineer
NASAは宇宙飛行士でありエンジニアでもあるクリスティーナ・コッホを、11月1日付で副主任エンジニアの代行に任命した。現職のキャサリン・ヴァン・フーザーが10月21日付で退任することに伴う人事である。コッホは同時に管理職の宇宙飛行士へ移行し、今後は宇宙飛行の任務に就く資格を失う。
ヴァン・フーザーは1991年にマーシャル宇宙飛行センターへ入り、液体ロケットエンジンのターボ機械の開発を皮切りに経歴を積んだ。スペースシャトル主エンジンの主任エンジニアとして最後の21便まで技術面を率い、スペース・ローンチ・システムの液体エンジン部門では初代の主任エンジニアを務めた。2023年からはNASA全体の副主任エンジニアとして、各計画の技術的な監督を担ってきた。一方のコッホは、ゴダード宇宙飛行センターで科学機器を開発する電気エンジニアとしてキャリアを始めた。南極や北極での現場の技術業務を経て2013年に宇宙飛行士に選ばれ、国際宇宙ステーションに通算328日間滞在した。今年4月にはアルテミス2号のミッション専門家として、有人での月周回飛行に加わっている。
今回の人事で注目されるのは、機器開発の現場と宇宙での運用の両方を経験した人物が、NASAのエンジニアリング組織を率いる立場に就く点である。アイザックマン長官は、米国人を再び月面に送り、月面基地を建設し、宇宙での原子力電源の実用化に着手し、最終的には火星へ向かう能力を整えると述べている。複数の計画を同時に進める中で、技術的な監督と運用上の判断を一体で扱う体制を重視していると考えられる。政府機関の技術判断は、開発計画の要求仕様や審査の基準に反映されやすい。そのため今回の人事は、今後の宇宙開発の方向性を読むうえで一つの手がかりになる。
日本の部品・装置・素材メーカーにとって、今回の人事がただちに受注や仕様を変えるわけではない。ただ、技術的な監督を重視する組織では、部品の信頼性を裏づける試験データや製造工程の記録を含む文書に求められる水準が上がる可能性がある。月面や宇宙の電源といった分野では、熱の制御や放射線環境に耐える部材、極限環境で使える素材などの需要が将来的に生まれる可能性があり、精密加工や材料技術を持つ企業には検討の余地があると考えられる。NASA関連の調達に関わる取引先の要求仕様を早い段階で把握しておくことが、参入の近道になるだろう。
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Source:NASA
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