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ウェッブ宇宙望遠鏡、何もなかったはずの宇宙空間に謎の光を発見

ウェッブ宇宙望遠鏡の観測で、既存の画像には何も写っていない南天のろ座(フォルナクス座)の宇宙空間から、正体不明の輝線が検出された。2023年8月と11月に88日間隔で行われた2回の観測で、同じ信号が確認されている。発生源はまだ特定されていない。

研究チームは遠方の未知の天体を探すため、近赤外線分光器(NIRSpec)で既知天体からの光を遮断し、データに含まれる輝線を調べた。その結果、7つの信号が検出され、うち6つは遠方の銀河に関連するものと判明した。問題となったのが残る1つで、過去にハッブル宇宙望遠鏡とウェッブ宇宙望遠鏡で同じ領域を観測した際には、対応する天体は確認されていなかった。論文を発表したのはミネソタ大学のメイソン・ヒューバティ氏で、天文学術誌『The Astrophysical Journal』に掲載されている。輝線は原子や分子が放つ特定の波長の光であり、天文学では天体の構成物質や距離、運動を読み解く手がかりとして使われる。

発生源を絞り込むには、まず距離を押さえる必要がある。宇宙の膨張によって光は長い波長へと引き伸ばされ赤みを帯びるため、この輝線が遠方から届いたものなのか、近傍の天体が低いエネルギーで放ったものなのかは、波長の情報だけでは判断できない。論文が挙げる候補は三つある。一つ目はビッグバンから数億年後に生まれた原始的な銀河だが、その場合は従来の観測ですでに捉えられていたはずだとされる。二つ目は活動が弱まった活動銀河核で、この場合は他の輝線も観測されるはずだが、今回の観測範囲では他の輝線は検出されていない。三つ目はブラックホールによって星が引き裂かれるような短期的な現象で、約1年前の画像に何も写っていなかったことと整合する。ただし、いずれの説にも何らかの疑問点が残る。

この事例が宇宙産業に示すのは、観測装置の感度と分光能力が上がるほど、従来の画像では見えなかった現象が浮かび上がる可能性があるという点である。短期的な現象を捉えるには、同じ領域を繰り返し観測できる運用体制と、長期間安定して動く装置が必要になると考えられる。天文観測の価値が「何が見つかるか」だけでなく、「いつ、何度、同じ条件で測れるか」へと広がっていけば、観測機器を支える部品や素材に求められる水準も変わっていくだろう。

日本の製造業にとって、関わりどころは複数ありうる。赤外線を扱う検出器まわりの材料や加工、分光器に使われる精密光学部品、極低温環境で安定して動く機構部品、長期運用に耐える電子部品などは、観測性能を左右する要素である。もっとも、本記事は特定の部品需要を示すものではなく、観測技術の進展が将来の要求を高める可能性を示す事例として捉えるのが妥当だ。サプライヤーにとっては、高精度と高信頼性の要求にどこまで応えられるかを平時から整えておくことが、こうした分野に参入する際の基礎になると考えられる。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:ギズモード・ジャパン

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