NASAが惑星探査機「ボイジャー1号」でも省電力化に成功 科学観測をより長く継続へ
イメージ NASAは2026年10月29日、惑星探査機「ボイジャー1号」で進めてきた省電力策「ビッグバン」を2026年9月上旬に完了したと発表した。電力の低下が続くなかで、残された科学装置による観測を少しでも長く続けるための措置である。
ボイジャー1号は2012年8月に太陽圏の外側の星間空間へ到達した。電源は放射性同位体熱電気転換器(RTG)で、NASAによると発電量は毎年約4ワットずつ落ちている。そのため運用チームは科学装置を1基ずつ止めてきており、現在ボイジャー1号で稼働しているのは2基である。今回のビッグバンは、消費電力の小さい3つの機器へ切り替えるものだ。切り替えた機器はいずれも極寒の宇宙で機体を動作可能な温度に保つ役割を持ち、3つを同時に切り替えなければ熱を適切に行き渡らせられなかったという。実施しなければ、早ければ2027年夏にも科学装置がもう1基止まる状況だった。同型機のボイジャー2号でも同様の措置が取られ、次の装置停止を少なくとも1年先送りできる見通しが示されている。
この出来事が示しているのは、長期運用の宇宙機では電力と熱の管理が観測期間そのものを決めるという点である。発電源は時間とともに確実に細るため、どの機器をいつ止めるか、そして機体全体の熱をどう保つかを一体で設計し直す必要が生じる。一方で、10月に起きた電波の受信トラブルは、どれだけ計画を練っても予想外の不具合が起こりうることを物語る。原因はまだ調査中とされており、長期運用に伴う不確実性は残ったままだ。ボイジャー1号は2026年11月18日に、地球からの距離が1光日に達し、人工物として初めて到達する見込みである。打ち上げから49年を経ても観測が続くことは、宇宙機の信頼性や寿命を支える技術に対する評価を改めて高めるものだと考えられる。
日本の製造業、とりわけ部品や素材を手がけるサプライヤーにとって、この事例は一定の関わり方を示唆している。極低温の環境で安定して動く保温・熱制御まわりの部品や、消費電力を抑えた機器の部材は、今回のような運用を支える要素になりうる。ただし、元記事は個別の部品や企業には触れておらず、ここで述べたのはあくまで一般的な視点である。宇宙向けの部品では長期間の動作実績が重視されやすいため、地上の用途で培った信頼性管理の経験をどう示せるかが、参入を考えるうえでの論点になると考えられる。
※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。
出典:sorae



