スターベース、予想外の再突入後に生存した第40号機を回収
米スペースXの大型ロケット「スターシップ」の第2段(Ship)が、7月の試験飛行IFT-13でインド洋に着水したのち、爆発せず原形をとどめたままテキサス州のスターベースへ戻ってきた。
IFT-13は7月25日にスターベースから打ち上げられ、約2.5分後に第1段のスーパーヘビー(ブースター)が計画どおり分離した。第2段は約65分の飛行を経てインド洋に到達した。ブースターは軟着水ではなく硬い着水となったが、残りの飛行は概ね計画どおりに進んだ。注目されたのは最後の場面である。これまで第2段は着水後に傾いて爆発するのが通例で、残留燃料がその原因となることが多かった。今回は波の上に落ち着いた後も機体が無傷で残った。スペースXはこの結果を喜び、とくに再突入後の耐熱タイルの性能に関する回収後データを得られた点を重視している。
ただ、無傷の機体を安全な場所まで移し、はしけに載せてテキサスへ戻すのは容易ではなかった。機体はまずクリスマス島まで運ばれ、そこからスターベース近郊へ戻された。スペースXは、飛行した実機の耐熱シールド、ラプターエンジン、アビオニクスなどについて「前例のないデータが得られる」と説明している。第1段のブースターはスターベースで既に3回回収されており、直近はIFT-8(2025年3月)である。第2段の回収は次回のIFT-15で初めて試みられる可能性がある。再使用を前提とする機体にとって、一度飛んだ機体を詳しく調べることは、どこまで使い回せるかを判断する材料になると考えられる。
発射拠点の面でも動きが続いている。スターベースは現在、スターシップの唯一の運用拠点である。フロリダのケネディ宇宙センターの39-A発射台は運用開始が近いとされ、隣接するケープカナベラル宇宙軍基地でも別の発射施設が建設中だ。マスク氏はルイジアナ州に新たな発射台群を建設する計画を最近発表し、年間数千回の打ち上げを見込んでいるという。米連邦航空局(FAA)は、スターベース単独で年間456回の打ち上げと912回の着陸(ブースター456回、Ship456回)へ増やす計画について、環境影響評価の準備に入る通知を出した。対面の説明会は11月17日と19日、オンラインの説明会は11月18日に予定され、意見の提出期限は11月30日である。
製造業の立場から見ると、打ち上げと回収の頻度が増えれば、耐熱タイルや機体構造、エンジン部品、航空電子機器などについて、製造に加えて検査、整備、交換の需要が広がる可能性があると考えられる。飛行後の機体から得られたデータは部材の耐久性や改良の方向性を左右するため、実環境での性能を示せるサプライヤーほど、次の設計段階で声がかかりやすくなるかもしれない。日本の部品・素材メーカーにとっては、過酷な環境に耐える材料の提供や、回収後の検査に使う精密計測の分野で関わる余地があると推測される。ただし、元記事は日本企業との関係に触れておらず、以上はあくまで推測である。
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