韓国のロケット「ヌリ」5号機、打上げ成功 100キロ級衛星5基とキューブサット9基を軌道投入
イメージ 韓国のヌリロケット5号機が2026年10月7日に打ち上げに成功し、100キログラム級の地球観測衛星ネオンサット5基とキューブサット9基を軌道投入した。この成功により、ヌリの累計成功率は75%から80%に向上し、韓国が信頼性の高い独自の宇宙打ち上げ能力を確立したことを示している。
ヌリは2021年の初号機打ち上げで失敗したものの、その後4回連続で成功を重ねており、着実な改善軌道を示している。打ち上げされたネオンサットは韓国科学技術院(KAIST)が開発した地球観測衛星で、朝鮮半島と周辺海域の監視や災害対応に活用されることが想定されている。ロケット開発において注目される点は、ハンファエアロスペース社の役割が段階的に拡大していることである。4号機から同社が製造を総括し、5号機では運用にも関与するようになった。この民間企業への責任移譲は、韓国の宇宙産業が競争力ある商業化フェーズへ進みつつあることを示唆している。なお、キューブサット1基は放出装置のふたが開かず分離に至らなかったという課題も報告されており、今後の改善が求められる。
KASA の発表によれば、ヌリロケットは2032年まで年1回以上の打ち上げが計画されており、2029年からは民間主導の運用へ移行する方針とされている。この計画は、韓国の宇宙産業が自立的かつ持続可能な商業化に向かっていることを示している。次回の6号機は2027年下半期にネオンサット5基を搭載して打ち上げられる予定であり、地球観測衛星の継続的な配備が進むと考えられる。このような定期的な打ち上げ能力の維持と拡張は、韓国の宇宙産業における継続的な技術改善を促進する可能性を示している。
ヌリの連続成功は、アジア太平洋地域における打ち上げサービス市場に変化をもたらす可能性が高い。韓国が実用的で信頼性の高い打ち上げ能力を確立することで、衛星観測・通信・測位などの需要に対応する地域内の選択肢が増加する。このような環境変化は、日本を含む地域の宇宙産業に対して、競争環境の再編と需要構造の変化をもたらすと考えられる。地域内の複数国が打ち上げ能力を保有することは、衛星需要の多様化と加速化につながる傾向がある。
観測衛星や小型衛星の打ち上げ需要が増加する環境では、ロケット関連部品や素材の供給が重要性を増す。日本の部品・装置・素材メーカーは、衛星本体の開発・製造に関わるだけでなく、ロケットシステムの周辺部品や素材供給領域における新たなビジネス機会を検討する必要がある。特に韓国を含む地域の打ち上げインフラの自立化が進む中で、地域内の産業チェーンを理解し、どの段階でどの技術・製品が必要とされているかを把握することが、戦略的な事業展開に向けて重要になると考えられる。
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出典:Space Media



