イーロン・マスク氏、スターシップの過去最大の試験についてサンクスギビングでの示唆
イメージ スペースXは次の飛行試験「フライト15」で、宇宙船そのものを地上設備で捕獲する挑戦に踏み切る方針だ。マスク氏は打ち上げを4〜6週間後、感謝祭の少し前になるとの見通しを示しており、成功すれば軌道投入級ロケットを丸ごと回収した初の例になる。
当初は10月19日の打ち上げも報じられていたが、日程は後ろにずれている。マスク氏は飛行のたびにロケットへ多数の改良を加えており、今回は変更点が少ないものの、タンクの内部に入って作業する必要がある項目もあると説明した。スーパーヘビー・ブースターはすでにタワーのアームで捕獲に成功しているが、上段の宇宙船を捕まえた例はまだない。これまでの宇宙船はいずれも海に落下して終えており、多くは火球になると見込まれている。機体が無傷で基地に戻れば、点検して再び飛ばせる。上場に関する提出資料では、完全再使用の構成で軌道に100トンを届けること、従来の平均と比べて軌道投入コストを99%以上下げることを目指すとされている。また、フライト14では次世代のスターリンクV3衛星26機を軌道に放出した。
この挑戦が重要なのは、コストと運用頻度に直結するからだと考えられる。宇宙船を回収して再飛行させられれば、機体1基あたりの製造負担が薄まり、飛行の間隔も縮めやすくなると見られる。マスク氏は次の目標として、ブースターと宇宙船の両方を再使用する飛行16を挙げた。スターリンクV3は大型のためファルコン9では運べず、スターシップでしか打ち上げられない点も、機体を増やして回す動機になっている。さらに、NASAの月計画は軌道上の燃料デポと10回以上の補給飛行を前提としており、監察総監の報告では6日に1回の補給打ち上げを目指すとされる。この計画が成り立つには機体が速く戻って再び飛ぶ必要があるが、船同士での推進剤移送はまだ試されていない。
日本の製造業にとっては、再使用を前提とする機体では耐熱材やタンク、配管の溶接部、締結部品などが何度も使われることになり、部品の健全性を裏付ける検査技術の需要が増える可能性がある。飛行間隔が詰まれば、点検、洗浄、部品交換といった地上側の工程も増えると考えられ、非破壊検査や表面処理、検査装置を手がける企業にも関わる余地がありそうだ。一方で、宇宙船を発射場に戻すには陸上への再突入が必要になり、記事もそこに航空安全上の審査が多く伴うだろうと指摘している。この点は今後の課題として注視が必要である。
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