How did Mars get its moons? Japan's MMX space mission aims to solve the puzzle
火星衛星探査計画(MMX)が、2026年10月19日に種子島宇宙センターからH3ロケットで打ち上げられる予定だ。火星の衛星フォボスに着陸して土壌を採取し、地球へ持ち帰るのが目的で、実現すれば火星の衛星からの試料回収は世界で初めてとなる。
火星には、フォボスとダイモスという2つの小さく不規則な形の衛星がある。成り立ちには複数の仮説があるが、決め手はまだない。有力なのは、火星に大型天体が衝突し、飛び散った物質から衛星が生まれたとする巨大衝突説と、火星に近づいた小惑星が重力に捕らえられたとする捕獲説の2つである。巨大衝突説では、いったん生まれた大きな衛星がその後に砕けて落下し、最終的にフォボスとダイモスだけが残ったとシミュレーションで示されている。一方の捕獲説は、小惑星を捕らえるには濃い大気が必要とされるが、現在の火星の大気は薄い。また、捕らえられた天体は偏った軌道を持ちやすいのに対し、2つの衛星の軌道はほぼ円に近く、この点も説明を難しくしている。
MMXが持ち帰る試料は、この論争に決着をつける材料になりうる。試料に火星由来の物質や衝突した天体の物質が多く含まれていれば巨大衝突説が、小惑星の隕石に似た組成であれば捕獲説が有利になると考えられる。計画では10グラム以上の回収を目指しており、太陽系の成り立ちや惑星の進化を探るうえで、惑星科学にとっての意味は小さくないだろう。
製造業の視点では、MMXの計画全体に精密な機構や部品が多く求められる点が注目される。小天体への降下・着陸、試料の採取と密封、輸送に加え、ガンマ線・中性子分光計やカメラなど11種の観測機器を搭載し、25キログラムの探査車イデフィックスも展開する。火星到着は2027年末、地球帰還は2031年と往復5年に及ぶため、長期の宇宙環境に耐える部品や、試料の汚染を防ぐ管理の要件も重くなると考えられる。日本の部品・装置・素材メーカーにとって、精密加工や材料、計測機器に関わる技術が活かせる分野は少なくないと見られる。ただし、個別の調達や受注に関する情報は元記事には含まれていない。
起源論争が続いてきた火星の衛星の謎は、MMXの打ち上げによって前進する可能性がある。試料の分析結果は、火星という惑星の歴史を読み解く手がかりにもなりうる。打ち上げ後の経過は、宇宙機器の部品や素材を手がける製造業の関係者にとっても注視する価値がある。
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Source:Phys.org
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