UchUchU
sorae #日本の宇宙開発

星空や景色に情報を重ねて表示! ユニステラがAR搭載スマート双眼鏡「ENVISION」の国内予約を開始

イメージ

フランスのユニステラ社がAR表示機能を搭載したスマート双眼鏡「ENVISION」の日本国内予約受付を2026年9月4日に開始した。同社は「世界初のスマートAR双眼鏡」と位置付けており、国内販売価格は25万9000円である。

ENVISIONは光学双眼鏡にAR表示を組み合わせたハイブリッド製品である。本体の慣性センサーとBluetoothで接続したスマートフォンのGPS情報により、観察者の位置と向きを把握し、その方向にある天体や地形の情報を視野に重ねて表示する。見える景色そのものは従来の光学像のままで、赤色のAR情報のみが接眼部に追加される設計だ。データベースには数十億点の地形データと数百万件の地図情報が搭載され、夜間は恒星や惑星、星団、銀河、星雲を案内し、日中は地形やランドマークを表示する。今後のソフトウェア更新で、コンテンツや機能が段階的に追加される予定である。

光学系は倍率10倍、対物レンズ有効径50ミリメートル、BAK4ガラス製ポロプリズムが採用されており、AR表示には解像度960×960ピクセルの赤色OLEDディスプレイが使用され、視野の約85%をカバーする。特に注目すべきは、ニコンと長期的なパートナーシップを結ぶユニステラが、同社と協業してこの光学系を開発した点である。研究開発から光学設計、光学部品供給に至るまで両企業が密接に協力し実現された製品である。先端的な光学機器の開発において、欧州企業と日本の光学メーカーの協業がいかに重要であるかを示している。

ユニステラは2015年の設立以来、光学・映像分野で9件の特許を取得し、世界で2万5000人以上のユーザーを獲得している。同社はNASAやSETI研究所と連携し、市民天文学を展開している。特にNASAの惑星防衛実証ミッション「DART」では、ユニステラのネットワークに参加する市民天文学者が小惑星ディディモスと衛星ディモルフォスの観測に参加し、成果は科学誌『Nature』に掲載された。アマチュア観測家による大規模観測ネットワークが科学的価値を生み出す時代となっている。

ENVISIONの日本予約開始は、観測機器の市場が天文愛好家向けから広い需要層へ拡大していることを示唆している。高精度な光学系、複合センサー、AR表示システムを統合したこの製品は、光学部品、センサー、ディスプレイパネル、精密加工など多くの製造業技術が結集したものだ。日本の部品メーカーやサプライヤーにとって、こうした最先端機器開発への参画や部品供給は、宇宙・航空分野での新たな機会となり得る。市民天文学の拡大に伴う観測需要の増加は、それを支える製造業にとって、従来とは異なる市場セグメントの出現を意味する。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:sorae

この分野の企業を探していますか?

UchUchUは宇宙産業に関わる日本企業をデータベース化しています。参入検討・取引先探索にお使いください。