Voting in space: NASA astronauts cast ballots from International Space Station
米国の宇宙飛行士3名が、国際宇宙ステーション(ISS)から米国の中間選挙の投票を行った。ISSに滞在中のアニル・メノン、ルーク・デラニー、ジェシカ・ワトキンスの3名は、電子投票用紙に記入して選挙管理当局へ送ったことを、メノン飛行士が11月3日にX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。投票に使ったのは自室のコンピュータだったと説明しており、軌道上の居住空間がそのまま投票所になった形だ。宇宙飛行士の多くが登録しているのは、ジョンソン宇宙センターがあるテキサス州ハリス郡である。
宇宙からの投票は1997年にテキサス州が法律で認めたことで可能になった。最初に利用したのは、同年にロシアのミール宇宙ステーションから投票したNASAの宇宙飛行士デイビッド・ウルフである。ISSに最初の乗組員が到着したのは2000年11月で、制度はそれより前に整えられていた。手続きは、海外に滞在する米国人が使う連邦の不在者投票と同じ申請から始まる。投票用紙は軌道上から追跡・データ中継衛星システムを経て、ニューメキシコ州にあるホワイトサンズ試験施設の地上局に届く。そこからジョンソン宇宙センターの管制センターを経由し、郡の書記官へ渡される。投票内容は暗号化され、宇宙飛行士と書記官だけがアクセスできるように設計されている。
この出来事の本質は、軌道上の機器と地上の行政手続きが一本の経路でつながっている点にある。投票データを確実に届けるには、中継衛星、地上アンテナ、管制施設、暗号化された通信路が途切れず機能しなければならず、どこか一箇所の不具合が手続き全体に影響しうる。記事は通信の品質や遅延、途中で問題があったかどうかには触れていないため、実際の運用の詳細は分からない。ただ、宇宙にいる人々の権利や生活を地上と同じ水準で保つことが求められる場面が増えるほど、宇宙と地上をつなぐインフラの重要性は高まっていくと考えられる。
日本の製造業や部品サプライヤーにとって、この記事は直接の受注機会を示すものではないが、関わりうる領域は複数ある。ひとつは、地上局や中継設備に使われる高周波部品、アンテナ周辺の機構部品、データを保護する電子機器の筐体や基板などである。もうひとつは、長期滞在する宇宙環境で使われる電子機器の信頼性である。通信機器が止まれば投票のような手続きにも影響しうるため、耐環境性や長期稼働の品質が一層求められる可能性がある。宇宙用途に求められる高い信頼性と製造履歴の追跡性は、民生向けの製品にも応用できる品質管理の考え方として参考になると考えられる。
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Source:Space.com
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